【工業簿記】経費
経費は、材料費・労務費のどちらにも当てはまらないその他の原価です。金額の求め方によって支払経費(支払った額をもとに計算)・月割経費(一定期間分を月割で計算)・測定経費(メーターの測定値で計算)の3つに分かれます。また、特定の製品と結びつくかどうかで直接経費(仕掛品へ)と間接経費(製造間接費へ)に分かれます。直接経費に分類されるのは、実務上ほぼ外注加工賃と特許権使用料だけです。
【問1】当月消費額の計算 →【問2】仕訳 →【問3】勘定連絡図 の順に進めましょう。
経費は、材料費・労務費のどちらにも当てはまらないその他の原価です。金額の求め方によって支払経費(支払った額をもとに計算)・月割経費(一定期間分を月割で計算)・測定経費(メーターの測定値で計算)の3つに分かれます。また、特定の製品と結びつくかどうかで直接経費(仕掛品へ)と間接経費(製造間接費へ)に分かれます。直接経費に分類されるのは、実務上ほぼ外注加工賃と特許権使用料だけです。
【問1】当月消費額の計算 →【問2】仕訳 →【問3】勘定連絡図 の順に進めましょう。
【問1】当月消費額を計算しなさい
杉並工業所(金属部品の製造)の×1年6月の資料です。色のついた欄に金額を記入してください。
| 費目 | 計算方法 | 資料 | 区分 | 当月消費額 |
|---|---|---|---|---|
| 外注加工賃 | 支払経費 | 当月の消費額は60,000円である。 | ||
| 特許権使用料 | 支払経費 | 当月の消費額は25,000円である。 | ||
| 電力料 | 測定経費 | メーターで測定した当月の使用量にもとづく金額は52,000円である。 | ||
| 保険料 | 月割経費 | 年間保険料240,000円を月割で計上する。 | ||
| 減価償却費 | 月割経費 | 機械の年間減価償却費360,000円を月割で計上する。 | ||
| 修繕費 | 支払経費 | 当月支払額18,000円、前月末の未払額2,000円、当月末の未払額3,000円である。 |
区分のヒント:特定の製品にいくらかかったかがはっきり分かる経費だけが「直接経費」です。実務上ほぼ外注加工賃と特許権使用料の2つに限られ、それ以外はすべて「間接経費」と考えて構いません。
修繕費のヒント:支払経費の当月消費額は、当月支払額-前月末未払額+当月末未払額で求めます。前月末の未払額はすでに前月分として消費済みなので差し引き、当月末の未払額はまだ支払っていなくても当月分として発生しているので加えます。
修繕費のヒント:支払経費の当月消費額は、当月支払額-前月末未払額+当月末未払額で求めます。前月末の未払額はすでに前月分として消費済みなので差し引き、当月末の未払額はまだ支払っていなくても当月分として発生しているので加えます。
📌 経費の3つの計算方法
支払経費 … 実際に支払った金額をもとに計算(例:外注加工賃・特許権使用料・修繕費)
月割経費 … 一定期間分の金額を月割で計算(例:保険料・減価償却費・賃借料)
測定経費 … メーター等で測定した使用量にもとづいて計算(例:電力料・ガス代・水道料)
月割経費 … 一定期間分の金額を月割で計算(例:保険料・減価償却費・賃借料)
測定経費 … メーター等で測定した使用量にもとづいて計算(例:電力料・ガス代・水道料)
📌 直接経費と間接経費
特定の製品にいくらかかったかがはっきり分かる経費は「直接経費」として仕掛品へ、それ以外の経費(複数の製品に共通してかかるもの)は「間接経費」として製造間接費へ振り替えます。経費のうち直接経費に分類されるのは、実務上ほぼ外注加工賃と特許権使用料の2つだけです。この2つ以外は基本的に間接経費と考えて構いません。
📌 修繕費(支払経費)の計算
当月支払額 18,000円
(-)前月末未払額 2,000円 …前月分としてすでに消費済み
(+)当月末未払額 3,000円 …支払は来月だが当月分として発生済み
当月消費額 = 18,000-2,000+3,000 = 19,000円
(-)前月末未払額 2,000円 …前月分としてすでに消費済み
(+)当月末未払額 3,000円 …支払は来月だが当月分として発生済み
当月消費額 = 18,000-2,000+3,000 = 19,000円
📊 問1の解答一覧
| 費目 | 計算方法 | 区分 | 当月消費額 |
|---|---|---|---|
| 外注加工賃 | 支払経費 | 直接経費 | 60,000 |
| 特許権使用料 | 支払経費 | 直接経費 | 25,000 |
| 電力料 | 測定経費 | 間接経費 | 52,000 |
| 保険料 | 月割経費 | 間接経費 | 20,000 |
| 減価償却費 | 月割経費 | 間接経費 | 30,000 |
| 修繕費 | 支払経費 | 間接経費 | 19,000 |
【問2】仕訳を答えなさい
問1で計算した当月消費額を、仕掛品または製造間接費へ振り替えます。
(1) 外注加工賃の当月消費額(支払経費)60,000円を、適切な勘定へ振り替えた。
借方
貸方
(2) 特許権使用料の当月消費額(支払経費)25,000円を、適切な勘定へ振り替えた。
借方
貸方
(3) 電力料の当月消費額(測定経費)52,000円を、適切な勘定へ振り替えた。
借方
貸方
(4) 保険料の当月消費額(月割経費)20,000円を、適切な勘定へ振り替えた。
借方
貸方
(5) 機械の減価償却費の当月消費額(月割経費)30,000円を、適切な勘定へ振り替えた。
借方
貸方
(6) 修繕費の当月消費額(支払経費)19,000円を、適切な勘定へ振り替えた。
借方
貸方
【問3】経費まわりの勘定連絡図を完成させなさい
左側の6つの経費勘定から、右側の仕掛品・製造間接費のどちらに流れるかを整理します。
① 空欄には相手勘定科目を選び、金額を入力する。
② (貸方側の赤い○)から (借方側の青い○)へドラッグして、線で結ぶ(逆方向からでも引けます)。
③ 引いた線をクリックすると、その線だけ消せます。
① 空欄には相手勘定科目を選び、金額を入力する。
② (貸方側の赤い○)から (借方側の青い○)へドラッグして、線で結ぶ(逆方向からでも引けます)。
③ 引いた線をクリックすると、その線だけ消せます。
外注加工賃
借方貸方
現金60,000
特許権使用料
借方貸方
現金25,000
電力料
借方貸方
未払金52,000
保険料
借方貸方
前払保険料20,000
減価償却費
借方貸方
減価償却累計額30,000
修繕費
借方貸方
諸口19,000
仕 掛 品
借方貸方
製造間接費
借方貸方
📊 経費の当月消費額と振替先(問3の解答)
| 費目 | 区分 | 当月消費額 | 振替先 |
|---|---|---|---|
| 外注加工賃 | 直接経費 | 60,000 | 仕掛品 |
| 特許権使用料 | 直接経費 | 25,000 | 仕掛品 |
| 電力料 | 間接経費 | 52,000 | 製造間接費 |
| 保険料 | 間接経費 | 20,000 | 製造間接費 |
| 減価償却費 | 間接経費 | 30,000 | 製造間接費 |
| 修繕費 | 間接経費 | 19,000 | 製造間接費 |
直接経費(外注加工賃・特許権使用料)合計85,000円は仕掛品へ、間接経費(電力料・保険料・減価償却費・修繕費)合計121,000円は製造間接費へ振り替えられます。
📋 模範解答(勘定連絡図)
外注加工賃
借方貸方
現金60,000
仕掛品60,000
特許権使用料
借方貸方
現金25,000
仕掛品25,000
電力料
借方貸方
未払金52,000
製造間接費52,000
保険料
借方貸方
前払保険料20,000
製造間接費20,000
減価償却費
借方貸方
減価償却累計額30,000
製造間接費30,000
修繕費
借方貸方
諸口19,000
製造間接費19,000
仕 掛 品
借方貸方
外注加工賃60,000
特許権使用料25,000
製造間接費
借方貸方
電力料52,000
保険料20,000
減価償却費30,000
修繕費19,000