【工業簿記】部門別個別原価計算
製造間接費を製品に配賦するとき、工場全体でひとまとめにするのではなく、切削部・組立部のような「製造部門」ごとに集計してから配賦すると、より正確な原価計算ができます。動力部・修繕部のような「補助部門」の費用は、いったん補助部門に集計したあと、直接配賦法により製造部門だけに配り直します(第一次配賦)。
【問1】部門費配分表の完成 →【問2】仕訳 →【問3】勘定連絡図 の順に進めましょう。
製造間接費を製品に配賦するとき、工場全体でひとまとめにするのではなく、切削部・組立部のような「製造部門」ごとに集計してから配賦すると、より正確な原価計算ができます。動力部・修繕部のような「補助部門」の費用は、いったん補助部門に集計したあと、直接配賦法により製造部門だけに配り直します(第一次配賦)。
【問1】部門費配分表の完成 →【問2】仕訳 →【問3】勘定連絡図 の順に進めましょう。
【問1】部門費配分表を完成させなさい
【資料】杉並工業所(金属部品の製造)の×1年6月の資料です。製造部門は切削部・組立部、補助部門は動力部・修繕部であり、直接配賦法によっている。
- 部門個別費:切削部149,000円/組立部121,000円/動力部30,000円/修繕部20,000円
- 部門共通費(建物減価償却費)100,000円を、専有面積の割合で配賦する:切削部40%/組立部30%/動力部20%/修繕部10%
- 動力部門費を、動力消費量の割合で配賦する:切削部60%/組立部40%
- 修繕部門費を、修繕回数の割合で配賦する:切削部70%/組立部30%
- 当月の直接作業時間:切削部120時間/組立部100時間
色のついた欄に金額を記入してください。
| 切削部 | 組立部 | 動力部 | 修繕部 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 部門個別費 | 149,000 | 121,000 | 30,000 | 20,000 | 320,000 |
| 部門共通費 | |||||
| 部門費計 | |||||
| 動力部門費配賦 | △50,000 | - | |||
| 修繕部門費配賦 | - | △30,000 | |||
| 製造部門費 | - | - |
製造部門費を、直接作業時間にもとづき製品に配賦するための配賦率も計算してください。
| 切削部の配賦率(240,000円÷120時間) | |
| 組立部の配賦率(180,000円÷100時間) |
📊 部門費配分表(解答)
| 切削部 | 組立部 | 動力部 | 修繕部 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 部門個別費 | 149,000 | 121,000 | 30,000 | 20,000 | 320,000 |
| 部門共通費 | 40,000 | 30,000 | 20,000 | 10,000 | 100,000 |
| 部門費計 | 189,000 | 151,000 | 50,000 | 30,000 | 420,000 |
| 動力部門費配賦 | 30,000 | 20,000 | △50,000 | - | 0 |
| 修繕部門費配賦 | 21,000 | 9,000 | - | △30,000 | 0 |
| 製造部門費 | 240,000 | 180,000 | - | - | 420,000 |
部門共通費100,000円:切削40%=40,000円/組立30%=30,000円/動力20%=20,000円/修繕10%=10,000円
動力部門費50,000円(第一次配賦):切削60%=30,000円/組立40%=20,000円
修繕部門費30,000円(第一次配賦):切削70%=21,000円/組立30%=9,000円
製造部門費 = 切削189,000+30,000+21,000=240,000円/組立151,000+20,000+9,000=180,000円
配賦率 = 切削240,000÷120時間=@2,000円/組立180,000÷100時間=@1,800円
動力部門費50,000円(第一次配賦):切削60%=30,000円/組立40%=20,000円
修繕部門費30,000円(第一次配賦):切削70%=21,000円/組立30%=9,000円
製造部門費 = 切削189,000+30,000+21,000=240,000円/組立151,000+20,000+9,000=180,000円
配賦率 = 切削240,000÷120時間=@2,000円/組立180,000÷100時間=@1,800円
直接配賦法のポイントは、補助部門費を製造部門にだけ配賦し、補助部門どうし(動力部→修繕部など)の用役のやりとりは無視することです。動力部門費・修繕部門費の配賦後の残高がどちらもゼロになり、製造部門費の合計(420,000円)が部門費計の合計(420,000円)と一致することを確認しましょう。
【問2】仕訳を答えなさい
問1で計算した金額をもとに、部門費の集計・第一次配賦・仕掛品への配賦を仕訳で確認します。
(1) 切削部門費189,000円(部門個別費149,000円+部門共通費配賦額40,000円)を計上した。
借方
貸方
(2) 組立部門費151,000円(部門個別費121,000円+部門共通費配賦額30,000円)を計上した。
借方
貸方
(3) 動力部門費50,000円(部門個別費30,000円+部門共通費配賦額20,000円)を計上した。
借方
貸方
(4) 修繕部門費30,000円(部門個別費20,000円+部門共通費配賦額10,000円)を計上した。
借方
貸方
(5) 動力部門費のうち切削部門への配賦額30,000円(動力消費量の割合による)を、切削部門費勘定へ振り替えた。
借方
貸方
(6) 動力部門費のうち組立部門への配賦額20,000円を、組立部門費勘定へ振り替えた。
借方
貸方
(7) 修繕部門費のうち切削部門への配賦額21,000円(修繕回数の割合による)を、切削部門費勘定へ振り替えた。
借方
貸方
(8) 修繕部門費のうち組立部門への配賦額9,000円を、組立部門費勘定へ振り替えた。
借方
貸方
(9) 第一次配賦後の切削部門費240,000円を、直接作業時間にもとづき仕掛品に配賦した。
借方
貸方
(10) 第一次配賦後の組立部門費180,000円を、直接作業時間にもとづき仕掛品に配賦した。
借方
貸方
【問3】部門費の流れの勘定連絡図を完成させなさい
製造間接費 → 各部門 → (補助部門から製造部門へ)→ 仕掛品、という部門費の流れを整理します。
① 6つの勘定は、上部に横一列で並んだ状態から始まります。タイトル部分をドラッグして、分かりやすい位置に配置してください。
② 空欄には相手勘定科目を選び、金額を入力する(ダミーの欄もあるので、どちらが必要な欄かよく考えましょう)。
③ (貸方側の赤い○)から (借方側の青い○)へドラッグして、線で結ぶ(逆方向からでも引けます)。
④ 引いた線をクリックすると、その線だけ消せます。配置を最初からやり直したいときは「配置をリセット」を押してください。
① 6つの勘定は、上部に横一列で並んだ状態から始まります。タイトル部分をドラッグして、分かりやすい位置に配置してください。
② 空欄には相手勘定科目を選び、金額を入力する(ダミーの欄もあるので、どちらが必要な欄かよく考えましょう)。
③ (貸方側の赤い○)から (借方側の青い○)へドラッグして、線で結ぶ(逆方向からでも引けます)。
④ 引いた線をクリックすると、その線だけ消せます。配置を最初からやり直したいときは「配置をリセット」を押してください。
製造間接費
借方貸方
切削部門費
借方貸方
組立部門費
借方貸方
動力部門費
借方貸方
修繕部門費
借方貸方
仕 掛 品
借方貸方
📊 部門費の流れの全体像
| 勘定 | 借方(受け入れ) | 貸方(配賦・振替) |
|---|---|---|
| 製造間接費 | - | 切削189,000/組立151,000/動力50,000/修繕30,000 |
| 動力部門費 | 製造間接費50,000 | 切削30,000/組立20,000 |
| 修繕部門費 | 製造間接費30,000 | 切削21,000/組立9,000 |
| 切削部門費 | 製造間接費189,000/動力30,000/修繕21,000 | 仕掛品240,000 |
| 組立部門費 | 製造間接費151,000/動力20,000/修繕9,000 | 仕掛品180,000 |
製造間接費から4つの部門へ配られた費用(合計420,000円)が、動力部・修繕部から切削部・組立部へと第一次配賦され、最終的にすべて切削部門費・組立部門費(合計420,000円)を通って仕掛品へ配賦されます。どの経路をたどっても、最初の420,000円がそのまま仕掛品に到達することを確認しましょう。
📋 模範解答(勘定連絡図)
製造間接費
借方貸方
切削部門費189,000
組立部門費151,000
動力部門費50,000
修繕部門費30,000
動力部門費
借方貸方
製造間接費50,000
切削部門費30,000
組立部門費20,000
修繕部門費
借方貸方
製造間接費30,000
切削部門費21,000
組立部門費9,000
切削部門費
借方貸方
製造間接費189,000
動力部門費30,000
修繕部門費21,000
仕掛品240,000
組立部門費
借方貸方
製造間接費151,000
動力部門費20,000
修繕部門費9,000
仕掛品180,000
仕 掛 品
借方貸方
切削部門費240,000
組立部門費180,000